プロテイン・ダイエットと下痢について

 

プロテイン・ダイエットと下痢について

 

 患者さんの実体験の中でプロテイン・ダイエット中の下痢症状について触れてみたいと思います。

 患者さんの一人で体重が気になってプロテイン・ダイエットを試したものの、ひどい下痢症状が起きたためにビックリしてプロテイン・ダイエットを中止した、という話です。

 実はこの患者さんは去年もプロテイン・ダイエットに挑戦した時も同様にひどい下痢症状に襲われていました。その時もプロテイン・パウダーが体質とは合わないのだと納得していたはずだったのですが、大量に買ってしまったモノがまだ残っていたので今年に入って再チャレンジしたようです。

 プロテイン・パウダーにも種類があって、おおまかに3種類に分けられます。

①ホエイ(乳清または乳漿とも呼ばれる)
②カゼイン
③大豆(ソイ)

 ホエイとカゼインはどちらも「牛乳」由来のプロテイン(タンパク質)になります。ホエイもカゼインもプロテインですが、牛乳に含まれるタンパク質の割合としては、約20%がホエイ・プロテインであり、約80%がカゼイン・プロテインになります。

 

 ホエイ・プロテインが水溶性で消化吸収も良いのに対して、カゼイン・プロテインは不溶性で固まりやすい性質を持っています。その性質を利用してチーズやヨーグルトがつくられます。

カゼイン = 牛乳 -(脂肪+ホエイ)

 本題のプロテイン・ダイエット中の下痢についてですが、牛乳を飲むとお腹がゆるくなったり下痢してしまう「乳糖不耐症」という体質の持ち主の可能性が高いでしょう。

 「牛乳」由来のホエイ・プロテインとカゼイン・プロテインには乳糖が含まれています。「乳糖不耐症」は文字通りで牛乳に含まれる乳糖に対する耐性が無い。。。つまり乳糖(ラクトース)を消化吸収するための消化酵素があまり分泌されないことが原因で下痢症状が引き起こされます。

 冒頭で紹介した患者さんもおそらく「乳糖不耐症」の体質なのに「牛乳」由来のプロテインを摂取したことで下痢してしまったのでしょう。実際にプロテインの服用をやめたら下痢症状もおさまりました。

どうすればよい?

 「牛乳」由来のプロテインがダメなら「大豆」由来のプロテインにすれば良いのです。以前の「大豆」由来のプロテイン・パウダーは溶けにくく味も独特だったので好まれなかったのですが、最近の大豆系プロテイン・パウダーは味も改善されていて飲みやすくなっているようです。